地球化技術のシステムの総称が「テラ・フォーミング・プラント」である。
主には環境変化ナノ・マシーンと呼ばれる指令プログラムを含む自動増殖機能を有した極小機械が必要な物質の増殖を繰り返しなら生成する事によって地球の環境に近づける技術。ただし、まったく大気の存在しない環境(月など)や極端に地球環境と違う環境(水星など)を地球化する事は出来ない。
太陽系内には数々の地球化(テラフォーミング)された惑星が現れ、人類の版図は太陽系全域へ広がり、ついに人類初となる統一政体、宇宙連邦が樹立された。
しかし、ニュー・ソラルと呼ばれる地球を故郷としない植民星で生まれた人々と、ネオ・テラーズと呼ばれる地球生まれの古くから多くの権益を有する人々の対立が激化。彼らは宇宙連邦政府内で、軍で、市民同士でも二つの派閥に別れ、内乱に等しい激しい主導権争いが勃発することとなる。
本拠地は土星の第六衛星タイタン。宇宙連邦の二大派閥の一つ。勢力下の人口は12億人。
地球上の有力国家に植民地として搾取されるしかなかった植民星やコロニーは大同団結する事によって地球支配の打破を目指し、いくつかの挫折と流血の後に2186年、宇宙人類連合会議を発足して地球に対抗できる実力組織「宇宙軍」を創設、これが後のニュー・ソラルの母体となる。
一時は地球を追いつめるほどに勢力を拡大、しかしタイタンへの権力集中を嫌った宇宙人類連合会議内の勢力と地球国家連合が和平工作を進め、2210年(宇宙暦0年)、宇宙人類連合会議と地球国家連合の間で電撃的な和解が成立。宇宙人類連合会議に地球国家連合が加わる形で宇宙連邦政府を樹立される。初めての統一政体であったが権力争いが過熱し、樹立から10年で多くの植民星やコロニー、地球上の国家が中立を保つために宇宙連邦を離脱する。
ニュー・ソラルの目的は地球復権の阻止と地球がいまだ多く有する既得権益の打破、そして未来の担い手たるニュー・ソラルによっての人類再統一である。
本拠地は地球。宇宙連邦の二大派閥の一つ。勢力下の人口は65億人。
最高指導者は、宇宙連邦軍作戦部長でもあるウィリアム・アーレ・モーラー大将をはじめとする「四老」と称される元老たち。
かつて地球の国家が各々の宇宙政策で開拓した植民星、コロニーを支配していたが、タイタンを中心にした宇宙人類連合会議の登場で多くの植民星、コロニーが地球の国家から独立してしまう。この事が契機となり、地球に多数存在していた国家は長年の対立を超えて同盟を形成し地球国家連合を設立、やがて宇宙人類連合会議と地球国家連合の和解で宇宙連邦が発足するとその主導権争いから旧地球国家連合の勢力が集まったのがネオ・テラ―ズの母体である。
ネオ・テラ―ズの目的はかてつの地球の繁栄を取り戻すべく、いまだ多数有する既得権益の維持と失った植民星、宇宙コロニーの再支配である。
ネオ・テラ―ズは人の記憶や社会通念を変更、改竄、消去する洗脳装置「メモリープラント」を極秘裏に開発した。
ドニ・ボーガンを部隊長とする非合法実行部隊が数々の要人をネオ・テラ―ズにとって都合のよい人物へと洗脳してきた。
暗殺や破壊活動といった任務を遂行する非合法エージェントであるドニ・ボーガンには過去、リエリとナオミが関係する任務の失敗で投獄された経験があり、出所後は顔を変えて二人への復讐の一念で出世をはかってきた経緯がある。