異なる種族が魔法の力により調和して文明を築き、平和に過ごしていたセルトアナ大陸。
しかし、約200年前に新たな力の源である化石燃料が発見され、
それを精製して利用する近代兵器が生み出されると世界は一変した。
魔法は廃れ、代わりに発展した機械文明は強力な武器と長きに渡る種族間の争いを生み出した。
フルアキア皇国とセルトアナ連合国、そして小規模ながら両国に挟まれ中立を保つギルド連盟、
この対立構造が150年あまりも続いていた。

だが、歴史の転換期は不意に訪れる。
それまで連合国に対して徹底抗戦の姿勢を見せていたフルアキア皇帝が逝去、
そこに浮き上がってきた和平交渉の機会。
和平交渉の場として選ばれたのは中立的な第三国であるギルド連盟領内の街アルラウネ。
両陣営の最高指揮官、アナスタシアとダネスは希望と信念、
そして期待を胸に和平会談の場である中立国アルラウネへ向かう。

しかし、この時の二人は知らない。
この百十数年の戦役自体が中立のギルド連盟による陰謀であった事、
加えてアナスタシアとダネスの向かう街には二人に全てを奪われ恨みを持つ男が待っている事を。
かつて、連合国軍の指揮官であったが初陣のアナスタシアに惨敗し、
直後に軍資金の不正流用をダネスに告発された男、ガゴゼ。
彼女達二人を捕らえ復讐を果たそうと暗躍していたのだった。